「最近USCPAという資格を知ったけど、USCPAを大学生が取得するとメリットあるの?できれば、USCPAに合格した新卒のキャリアも詳しく知りたい」
本記事はこんな疑問に答えます。
米国公認会計士(USCPA)は日本では社会人が取得する資格として普及しています。転職に有利な資格と覚えている人も多いかも知れませんね。
しかし最近は、大学生が新卒で大企業の管理部門や監査法人、コンサルに入社するために取得するパターンも少しづつ増えてきています。
僕は社会人になってからUSCPAの存在を知り、転職するためにこの資格を取得した典型的なパターンですが、「大学生から知りたかった」と良く思います。
なぜなら、この資格が新卒の就活の場でプラスに働くだけでなく、専門職としてグローバルに働く切符になるからです。
USCPAの本場であるアメリカでは、会計大学院に2年間通って取得する資格であり、かなりの難関資格とされています。
加えて、アメリカに限らず英語圏の国ではUCAPAが「会計の専門知識を有するエリート」と広く認知されています。
ですから、USCPAは新卒の就活に役立つだけでなく将来のキャリアにも大きくプラスになるんです。
「もっと早く知りたかった」と思うのはこのためです。
(前置きが長くなりましたが)本記事ではUSCPAを取ることで開ける大学生の新卒キャリアについて説明します。
USCPAの勉強に悩んでいる人は「読んでよかった」と思える内容になっているので、最後までじっくり読んでみてください。
本記事の内容
- USCPAに合格した大学生が歩む新卒キャリア
- USCPAを取得しても効果がない大学生
- 大学生ならではのUSCPAを勉強するメリット
本ブログの信頼性
Minoru
- 「英語×会計のキャリアを考える」Minoru Blog管理人
- 会計知識ゼロから1年3カ月でUSCPAに合格
- 転職後はBig4アドバイザリーに勤務
USCPAを取得した大学生の新卒就職先やキャリア
大学生がUSCPAを取得するメリットを次の観点から説明します。
- USCPAを取得した大学生は新卒から海外案件を任されやすい
- 監査法人に新卒入社したい大学生はUSCPA
- コンサルやアドバイザリーに新卒入社したい大学生もUSCPA
- USCPAを取得した大学生は管理部門への新卒就職が狙える
ひとつづつ説明していきます。
USCPAを取得した大学生は新卒から海外案件を任されやすい
僕が実際にUSCPAで転職してから感じていることですが、グローバルな案件を任されることが多いです。
理由は単純で、「こいつはUSCPAだからビジネス英語ができる」と上司から認知されているからですね。
TOEICは英語力を測るテストとして有名ですが、あくまで「日常会話」が目的です。「TOEICの点数が高い」ことが「仕事で英語が使える」とはならないわけです。
因みに海外駐在の指標にTOEICが用いられるのも同じ理由です。海外駐在は日常会話が英語だからTOEICが評価基準になり易いんですね。
USCPAは英語が使える証明になるだけでなく「ビジネス英語」が分かるという証明になります。なぜなら、会計・財務・企業法務などなどを幅広く英語で学ぶからです。
USCPAに合格すれば、新卒入社後の早い段階から海外案件に関わりやすいでしょう。
監査法人に新卒入社したい大学生はUSCPA
もう少し具体的なキャリアの話をしますと、昨今はUSCPAでも監査法人に就職できます。
理由は簡単で、日本の監査法人はどんどん「人手不足」になっているからです。下の表をご覧ください。
引用:週刊エコノミスト
上の表は組織内会計士(監査法人以外の事業会社に勤める日本の公認会計士の数)を表しています。ここ5、6年で爆発的に増えているのが分かります。
会計士の数はそれほど変わっていないので、それだけ監査法人から人が流出しているということです。
因みに日本公認会計士協会によると2019年12末時点の組織内会計士は1938人と2018年を上回るペースで増加しました。
この辺りの詳細はUSCPAとったら監査法人に転職できる?【できます。理由を説明】に書いています。
もう一つ強調したいのは、「USCPAが監査法人に就職する最短ルート」だということです。
日本の公認会計士試験は合格までに4000時間の勉強が必要だと言われています。一方でUSCPAは1000時間の勉強で合格可能です。
日本の公認会計士試験に合格する1/4の労力で監査法人に新卒就職することが可能です。
資格は就職のための「切符」であり「ブランディング」でしかありません。他に大学生の間にするべきことは沢山あります。
浮いた3000時間で新卒入社後に必要となる英語やエクセルスキルなどを学ぶ方がよっぽど生産的です。
日本の会計知識が不足していることが不安なら、簿記1級だけ勉強しておくというのも有効ですね。
USCPAに合格して、最短ルートで監査法人への新卒就職を実現しましょう。
コンサルやアドバイザリーに新卒入社したい大学生もUSCPA
皆さんはコンサルやアドバイザリーに新卒入社したい大学生にもUSCPAはおすすめです。
アドバイザリーやコンサルに新卒入社してくる社員に求められる一般的な会計知識の水準はご存じでしょうか。
以外にも「簿記2級以上」です。監査法人で働く場合はもう少し難し高いですが、意外と低いですよね。
だからこそ、大学生の時点でUSCPAを取っていれば大きくリードできます。
周囲を見ていても、USCPAに合格済みの新卒社員はちらほらいますね。先見の明があると思います。
USCPAを取得した大学生は管理部門への新卒就職が狙える
大企業の管理部門に新卒就職したいと考えている大学生にはUSCPAがかなりおすすめです。
終身雇用やジョブローテーションと言った日本型雇用が時代遅れと言われて久しいですよね。
実際、終身雇用などの日本神話は今後もどんどん衰退していくとほぼ確信しています。
「終身雇用を期待して大企業に入社して、これまで営業や人事や総務をジョブローテーションで経験してきたけど、会社の成長も給料も頭打ち。専門性が無いから転職もできない」
このパターンが最悪ですし、ぶっちゃけ容易に想像できます。
とは言え、日本の大企業はまだまだ雇用が安定していて給料も比較的高いのも事実です。
ですから、「大企業で専門性を身に着ける」と言うのがベストではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、USCPAに合格すればこういったキャリアが見えてきます。
「大企業で専門性を身に着ける」ためには、「大企業の専門職採用」で採用される必要があります。
これは大企業の経理部・財務部・人事部で一般に行われていますよね。
USCPAに合格することで、経理部や財務部に就職するチャンスが大幅に広がります。万が一に就職できなかったとしても、第二新卒の期間で転職すれば大丈夫です。
僕の様にアドバイザリー勤務の社員も、かなりの割合がこのルートに流れます。やはり「まったり高給」が最善手だと僕も思います。
そんなルートに新卒から乗れるので、大学生の方は今から努力すると良いと思います。
USCPAの取得をおすすめしない大学生
ここまでUSCPAを大学生が取得するメリットをお話してきましたが、デメリットもあるのでご紹介します。次の3点です。
- 体育会に所属している大学生はUSCPAを取らない方が良い
- しっかり時間をかけて会計士を目指したい大学生はUSCPAよりJCPA
一つづつ説明します。
体育会に所属している大学生はUSCPAを取らない方が良い
僕の実体験を踏まえますと、体育会の人はUSCPAを取っても意味がないです。
と言うのも、体育会の人は通常の新卒就活生とは違う目で見られるからです。
ほかならぬ僕はガチガチの体育会部員の出身でして、就活も体育会の経験を前面に押し出して進めました。
ただ、体育会の経験だけでは不安だったので、猛勉強してTOEICを勉強して900点を取ったんですね。
もともと英語が得意だったので、就活でアピールする材料にしたいと思ったんです。しかし全く意味が無かったですね(笑)
体育会部員はよくも悪くも元気とやる気と精神力しか見られないことが良く分かりました。結局僕は上場企業の営業職に内定し、働きました。
でも営業職がどうしようもなく嫌だったので、USCPAを取って転職したわけです。
体育会を辞めてUSCPAの勉強をするのならば良いと思いますが、そうでなければ意味が無いと思います。
しっかり時間をかけて会計士を目指したい大学生はUSCPAよりJCPA
「しっかり会計士としての知識を叩き込みたい」と言う方はUSCPAよりもJCPA(日本の公認会計士)を目指すと良いです。
大学生の間は時間がありますから、JCPAにチャレンジするのも良いと思います。ただ、僕はUSCPAの方がこれからの時代に合っていると思います。
昔と違い、会計スキルだけではキャリアアップできない時代です。また、会計スキルを本当に身に着けるためには、監査法人・経理部・財務部の世界で実務をこなす他ありません。
資格は業界への切符でしかありませんから、USCPAを取ることで切符を最短で取得する方が効率が良いと僕は思います。
その上で、会計スキルにプラスアルファとなる英語やエクセルのスキルを身に着ける方が、ずっと生産的です。
JCPAにチャレンジするのも良いですが、効率的に成長したいのであればUSCPAの方がおすすめです。
USCPAは大学生から計画的に勉強すれば費用を大幅に抑えられる
USCPAの独学はかなり厳しいので予備校に通う必要がありますが、問題はその費用です。
大学生が通う予備校はほぼアビタスの一択になりますが、予備校代として70万円ほど必要になります。実は、この予備校代の結構な部分が「単位取得費用」というものになります。
USCPAを受験するには条件があり、あらかじめ、決められた「会計単位」や「ビジネス単位」を取得する必要があります。
多くの人が「会計単位」や「ビジネス単位」が不足しているため、予備校で「単位を取り直す」ために費用がかかってしまいます。
しかし、大学生であれば大学で「会計単位」や「ビジネス単位」を取得できますよね。ですから、計画的に勉強することで予備校代を大幅におさえることが可能なのです。
この辺りは取得済みの単位を計算する必要が出てきたり、今後の計画を立てる必要があるので、早くから予備校のアビタスで相談することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事の中身をまとめると次のとおり。
- USCPAに合格した新卒社会人は早期からグローバル案件に関われる
- 監査法人・コンサル・アドバイザリー・大手企業の管理部門を狙うならUSCPA
- 体育会員やJCPAを目指す人はUSCPAをおすすめしません
- 大学生のうちから計画的に準備すれば、大幅に低い費用でUSCPAに合格可能
僕はUSCPAの存在を知らずに社会人を始めましたが、「もっと早くに知っていれば人生違ってたな」と良く思います。
だからこそ、大学生でこの記事をここまで読んでくれた方には是非USCPAにチャレンジしてもらえればと思います。
社会人になるとなおさらですが、資格勉強は計画と行動力が重要です。「USCPAってアリかも」と思った方は、即行動と合格に向けたプランニングをおすすめします。