


本記事の内容
- 代替肉(人工肉)とは
- 代替肉(人工肉)の将来性
- 代替肉(人工肉)の関連銘柄
- ビヨンドミート社の企業分析
本記事の信頼性
Minoru
- 1000万円を海外株式で運用
- 米国公認会計士。本業では財務会計面から企業を分析
- ファンダメンタルズ分析を基に長期投資する方針
- ニューテクノロジー関連が好きで、少額で投資している
「代替肉(人工肉)」とは何か?種類を説明



種類は植物肉1.0、植物肉2.0、培養肉
代替肉(人工肉)は下表のとおり、3つに分類されます。
ポイントは次の2つです
- 「植物肉2.0」は肉以外から製造されるが、分子レベルの解析がキーテクノロジー
- 「培養肉」は動物の細胞を培養するため、「肉」であることに変わりがない
まず「植物肉1.0」は、豆腐ハンバーグなどの誰でも食べたことがある食材です。肉を模していますが、食べれば味や風味が肉と全く異なることが分かります。
一方で「植物肉2.0」は、分子レベルで様々な食品を解析することで、分子レベルで「肉らしい食材」を「肉以外」から作り出します。そのため、味や風味まで肉に近い食材となります。
最後に「培養肉」ですが、これは動物の細胞を培養して製造しますので、食肉動物の屠殺こそしませんが、完成品は「肉」そのものです。そのため、後に紹介するように、「植物肉2.0」とは市場が若干異なります。
「代替肉(人工肉)」銘柄に関連する市場の将来性


A.T.カーニーによると、将来的な代替肉(人工肉)市場は1超ドル以上
下表はA.Tカーニーによる世界の代替肉(人工肉)を含む食肉市場の将来予想です。
参照:KEARNEY
ポイントは次の4点です
- 食肉市場自体が2040年までに1.8超ドルへ拡大する
- 純粋な肉が占める割合は40%まで縮小する
- 「植物肉2.0」(Novel vegan meat replacement)は年平均+9%で成長し、2040年に1兆円を超える
- 市場の占有は2035年~2040年の間に「培養肉」(Cultured meat)が逆転する
まず食肉市場全体が2040年まで拡大し続ける理由は、世界人口の増加が想定されるからです。
下表からわかる通り、2040年までは一定の割合で人口増加が続きます。
引用:世界人口推計2019年版 データブックレットより
なぜ純粋な「肉」の市場割合が減少するかと言うと、次の2点が理由です。
- 肉類の摂取に制限があるイスラム教徒の人口が2060年には30億人まで拡大(出所:Pew Research Center「The Changing Global Religious Landscape」)
- 「植物肉」のコストは鶏肉の1/2、牛肉の1/4以下(UZABASE調べ)
また、ビーガン市場は2019年に+10%成長していることから、短期・中期的には健康意識の高まりに伴う需要増も取り込めます。
日本にいると気が付きませんが、欧米では肉食の回避は富裕層を中心に急激に広まりつつあるとのことです。
2035年以降に「培養肉」が「植物肉2.0」の占有率を追い越しますが、商品化にも至っていない培養肉への投資はもう少し先の話になるでしょう。
年平均+9%の市場ですから、次の10年~20年は、「植物肉2.0」への投資はかなり有望と考えられそうです。
短期的なリターンには未知数が多いことから機関投資家やファンドマネージャーの投資資金が入るのはもう少し先になりそうですから、個人投資家が余剰資金を小額投資しておくには良いタイミングと思われます。
「代替肉(人口肉)」銘柄の一覧




代替肉(人工肉)企業
まず代替肉(人工肉)の事業のみを営む企業を2社紹介します。代替肉(人工肉)の成長に100%投資したいのであれば、こちらの銘柄がおすすめです。
BEYOND MEAT
代替肉(人工肉)のみを事業として行う唯一の上場企業です。代替肉(人工肉)の成長に投資したいならば今のところBEYOND MEAT一択です。楽天証券やSBI証券で購入できます。
Impossible Foods
BEYOND MEAT同様、代替肉(人工肉)専業のベンチャー企業ですが、未上場です。ユニコーン企業としてBEYOND MEATと同等の注目を浴びており、上場間近と言われているので、動向に注目しましょう。
食品メーカー
食品メーカーも未来の巨大市場である代替肉(人工肉)市場に参入してきています。ここでは2社紹介します。
ネスレ(Nestle)
言わずと知れたスイスの巨大食品会社です。昨今では「代替魚」の開発と流通も発表しており、本腰を入れて取り組んでいます。
BEYOND MEATへの投資はベンチャー投資なのでハイリスクですが、ネスレは超安定企業なので、低リスクで投資が可能です。
ネット証券ではサクソバンク証券でのみ取り扱いが可能です。
ケロッグ(Kellogg)
シリアルの「ケロッグ」やスナックの「プリングルス」で有名ですよね。ネスレほどの優良企業ではありませんが、マネックス証券で購入できますので、買いやすい人は検討の価値があるかもしれません。
ただ、将来性ではネスレの方がおすすめではあります。
米食肉大手
タイソン・フーズ(Tyson Foods)
したたかに代替肉(人工肉)市場を狙っている企業です。アメリカの食肉最大手ですから、代替肉(人工肉)は同社の市場を破壊する存在ですが、これを早期から取り込む戦略のようです。
食肉市場に大変革が起きることは確実ですから、タイソン・フーズも必死でしょう。一方で、当面は「肉」のみの市場も拡大基調ですから、投資目線では「肉」と「代替肉」両方の成長を取り込める投資と考えられます。
今は売却済みですが、もともとBEYOND MEATの株を6.7%保有していました。Impossible Foodsの商品を自社店舗で販売することも発表しています。競合のノウハウを学ぼうとしているようですね。
既に自社商品も発表済みなので、自社の流通ルートを活用すれば勝機がありそうです。楽天証券やSBI証券で購入できます。
「代替肉(人口肉)」銘柄の最先鋒であるビヨンドミートの企業分析


売上高(規模)は安定成長。コロナショックでより筋肉質な財務数値へ






研究開発フェーズから顧客獲得フェーズへ




